温熱6要素は
・環境側の温熱要素(温熱4要素)
・人体側の温熱要素
の2つに分けられていて、人体側の温熱要素としては「代謝量」と「着衣量」で構成されています。
①代謝量(作業量)
人体からの熱放射には、表皮からの放射や呼吸による蒸気の発散などがあります。そのうち、放射、対流によるものを「顕熱」、水蒸気のよるものを「潜熱」といいます。顕熱とは、温度計で計測できる熱エネルギー(温度変化する)のことをいい、潜熱とは、水が氷や水蒸気になる状態変化の際に放出、吸収する熱(温度変化なし)のことを言います。
代謝量は、人間が活動するときに発生する熱量(顕熱と潜熱の合計)を表しています。人間が椅子に座って安静にしている状態における成人の代謝量は約58W/㎡とされており、この値を1metと言います。代謝量が多ければ(動いている時)温度が高くなり、少なければ(じっとしている時)温度は低くなります。
②着衣量
気温21℃、湿度50%、気流0.1m/sで成人男性が一般的なスーツを着ている状態を1clo(着衣の熱抵抗値)という単位で表します。裸体で0clo、長袖シャツ+長ズボンで0.5clo、スーツで1clo、スーツ+コートで2cloとされています。このように衣服を着ると空気層ができることや衣服へ熱伝導して、皮膚表面からでた熱が逃げにくくなることで暖かく感じます。したがってクロ値が高いほど厚着であることを示します。
快適に過ごすために温度や湿度はもちろん、エアコンなどの風の流れ、壁から反射する熱、運動する量や着用する衣服の量など、人間の温度の感じ方には多くの要素が影響しあっていることがおわかりいただけたでしょうか。
建築士の試験にも出題されますので、目指している方は覚えておいて損はありません!(笑)
それでは今回はこの辺で失礼します。またお会いしましょう!