雪の重さは建物の耐震等級(地震に対する建物の強度)に影響します。耐震等級は構造計算を行ってどれだけの強度があるのかを表す指標で、耐震等級1~3の3段階に分かれています。
耐震等級1…百年に一度程度の地震(震度6強から7程度=阪神・淡路大震災や2016年4月発生の熊本地震クラスの揺れ)に対しても倒壊や崩壊しない、数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度
耐震等級2…等級1の1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度の水準
耐震等級3…等級1の1.5倍の地震力に耐えられるだけの性能・耐震強度水準。
住宅性能表示制度で定められた中で最も高いレベルで、一度大きな地震を受けてもダメージが少ないため、地震後も住み続けらることができ、その後大きな余震が来てもより安全。
この等級を出すために構造計算を行います。構造計算では許容応力度という構造体の各部材に生じる抵抗する力の限界点を算出します。建物自体の固定荷重や積載荷重(家具などの荷物)が長期間かかり続けると部材は徐々に変形を続け、伴って部材の耐力は減少していきます。
構造計算では上記のような計算式が用いられます。
新潟は多雪区域に含まれますので、計算時に積雪荷重を加味しなくてはなりません。
例えば、秋葉区での建築の場合、新潟市が定めている積雪深さ(垂直積雪量)は120~130㎝です。
この積雪深さだと
固定荷重G+積載荷重P+積雪荷重3900N(新潟県が定める単位荷重30N/㎝/㎡×垂直積雪量130㎝)
という式が成り立ちます。
ニュートンだと分かりにくいと思うので、およそ10N=1㎏と考えます。そうすると、この計算式上で部材にかかる重さは390GPキログラムとなります。
この想定される積雪深さを超えた積雪があった場合、積雪荷重は増えます。
10㎝増えれば1.08倍に、20㎝増えれば1.15倍になり、建物にはより力がかかることになります。
390㎏の1.08倍は421.2㎏、1.15倍では448.5㎏となり、30㎏ずつ増加していきますが、これはあくまである部材ひとつにかかる重さです。
建物は一つの部材だけでは建ちませんのでこれが何個もあると考えると、想定を大きく超えた重さがかかっていることになるのです。
新潟県でも雪の重みで家屋が倒壊した事例もありました。
これは想定以上の積雪があって、それに建物が耐えられなくなってしまったからです。
屋根上の雪下ろしは危険ですが、倒壊の危険もでてくるので、雪対策はしっかり考えなければなりませんね。
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