現在加茂市の屋根葺き替え工事中のお宅でのこと。
山間部に位置するこちらのお住まいは山の裾部にあり、山水が流れてきて建物周りはいつも湿っている状況です。
草が生え、周りは樹木が密集しております。このような敷地環境は非常にリスクが高いです。
何のリスクかというと、『シロアリ』です。
その環境からあまりにも気になったので、お施主様に床下点検をお勧めしました。
やはりいました・・・
シロアリです。畳を剥ぐったらすぐにわかりました。畳下地の荒床の表面が既に食害されており、畳裏はご覧の通り。
綺麗に真っすぐ蟻道があります。
畳は断熱性も有り暖かいのでシロアリの温床になりやすい部分。
こうなると床下は酷い状況であると予想されますが・・・
見事な蟻道が束に真っすぐ。
つくづくシロアリは器用だなと思います・・・
根太上面も食害されておりますが、荒床と接しており暗い部分なので上面が食害されます。上面に比べ側面や下面は床下換気口からの明るさもあるので、あまり被害は少ないですが、蟻道を作って這っている場合もあります。
今回の調査のきっかけは勝手口の上がり框でした。
意外に気づかなかったようで、かなり食害されております。ひどい・・・
こちらのお住まいは元々新築時からあった築50年程のゾーンと、築30年位の増築した和室部屋で構成されており、なんと新しく増築した方が蟻害に遭っていました。
古い方の居室も一通り点検しましたが、蟻害はありませんでした。
しかし、カーペットを敷いている部分は剥がすと白カビが床表面にあり、かなりの湿気が発生していることが分かります。
空気の流れが悪く湿気が溜まりやすいので、フローリングに敷物をしているとこのような被害に遭いやすくなります。
当然この床のカビ部はブカブカしており、私のような巨漢が乗るとすぐに陥没してしまいそうです。
このような状況より、ホウ酸に依る床下防蟻対策と、部分的な床張替え修繕を検討しなければなりません。
空き家が与えるリスクは環境は元より、所有者の経済面にも大きく影響を及ぼします。
解体するにしても高額な解体費が掛かりますし、修繕するにしても次から次へとメンテナンスコストが掛かります。
人間の身体と一緒で日に日に劣化していきますから。
ご自身の判断になりますが、建物の将来性や利活用をよく考え空き家の所有を検討しないといけません。